【試合結果】DEEP Tokyo Impact 2025 6th Round|JTT参戦選手まとめ
DEEP Tokyo Impact 2025 6th Roundの試合結果を詳細レビュー。JAPAN TOP TEAM所属の佐藤聖優・高尾凌生・秋元優志・仁井田右楽の全4試合を、展開・技術・勝因敗因まで徹底解説。反則決着やKOシーンも分析。

大会概要
- 大会名 :DEEP Tokyo Impact 2025 6th Round
- 開催日 :2025/12/14
- 会場 :ニューピアホール
JTT参戦選手 試合結果
佐藤 聖優(JAPAN TOP TEAM)vs 佐藤 凛(KATANA GYM)
バンタム級/3分2R
- 勝利 :佐藤 聖優
- 決着 :2R 反則(グラウンド状態の頭部へのサッカーボールキック)
- ラウンド/時間 :R2/2分45秒
計量
両者パス。聖優はまだ余裕がありそう。プロに向けてフライで行くか、増量してバンタムで行くか。
フレームは逆三角形のアスリート体型といった印象。佐藤凛とはかなりフィジカル差がありそうな予感。
試合展開
1R
開始から佐藤凛は前蹴りから入っていく。続くワンツーに対して佐藤聖優は、ツーに合わせてショットからクリンチを狙うが、状況が良くなかったため即リリース。 それに合わせて凛は右を振っていくが、聖優はバックステップでかわす。凛は追撃するが、聖優がカウンターのダブルレッグからテイクダウン。
クローズドガードから聖優がパウンドを落とし、ハーフガードへパス。さらにパウンドを打つが、凛がクローズドガードに戻す。それでも聖優はフィジカルを活かしてパウンドを継続。
凛も下から煽りながら立ち上がる隙を窺うが、聖優がチップキープ。ハーフガードまでパスし、さらにマウントまで到達してパウンドに入るが、凛は下から崩して上を取り返す。
しかし聖優は冷静に下から反転して上を取り返し、かぶりの状態へ。そこからゲージを蹴る形でエントリーしフロントチョークに入るが、これは極まらず。 それでも聖優は再びハーフガードからパスしてマウントへ。マウントは流石に返されるが、ハーフガードに戻す。
聖優が一旦立ち上がり、オープンガードからのパスを狙うが、凛が足を取っていく。これに対し聖優も足を取り返し、足関の取り合いに。凛が解除してディフェンスに回り、聖優が決めに入ったタイミングでラウンド終了。
聖優のラウンド。
2R
入りは凛のストレート。聖優は返しのジャブからタックルに入り、TD成功。ハーフガードから半立ちポジションへ移行しパウンドを落としていく。
凛は足で聖優を押して立ち上がるが、聖優はクリンチから内股でTD。ハーフガードからサイドへ移行し、クリスフィックスを狙いながらパウンド。 ノースサウスなどを経由して逆サイドに回りパウンドを打つが、凛がエビからクローズドガードへ戻す。
聖優はクローズドガードから膝を立て、強いパウンドを当てていく。ハーフ、さらにサイドへとパス。再びクリスフィックスを狙うが、凛が返して立ち上がる。
しかしその際、凛が膝をついた状態の聖優に対して顔面へのサッカーボールキックを放ってしまい反則。ダメージが深く、残り時間もほとんどなかったため続行せず。
反則により聖優の勝利。
勝因
組み・寝技・スタミナ・フィジカルに明確な差があり、ほぼ一方的な展開となった。
凛も1Rは寝技の展開でリアクションできていたが、2R中盤からスタミナが厳しくなり、サイドやノースサウスを許す展開となった。
所感
戦前の予想通り、遠目からタックルを持つ聖優が有利な試合だった。前戦ではあまり見せられなかったトップキープも、この試合ではしっかり披露し、ほぼ完勝と言っていい内容。
TD能力は一級品で、パウンドも強い。今後さらにトップキープ力やサブミッション能力が向上すれば、プロでも常勝できるだろう。
課題として見えたのはポジションを取った後のサブミッションへのエントリーとパウンドの安定性。マウントは仕方ないにしてもハーフガードからのパウンドなどでも煽られてバランスを崩している場面が見受けられる。
もう少し安定してパウンドを打てるようになってくると、よりMMAグラップリングに磨きがかかる事だろう。まだパウンドを打ち慣れていない印象でパウンドとパスガードやサブミッションの結びつきも薄い。
スタンドでは前戦も含めてジャブからのタックルが中心だが、今後は右オーバーハンドなど、打撃から組みへのバリエーションの成長も見てみたい。
高尾 凌生(JAPAN TOP TEAM)vs 菊池 佳歩(IRIE BASE)
バンタム級/3分2R
- 勝利 :高尾 凌生
- 決着 :1R KO(カウンターの左フック)
- ラウンド/時間 :R1/1分50秒
計量
両者パス。高尾はかなり胴回りが太い。このあたりが、キャリアの割にTDDやスクランブルが強い理由か。
菊池は高尾に比べてリーチが長い。頭が小さいタイプなので、もう少し増量できそう。
試合展開
1R
高尾のローと菊池のストレートが噛み合うが、高尾はスウェーでかわし返しの右フックを当てる。やはり身体が強い。
菊池の長いパンチはバックステップで外し、ワンツーで入っていくが、ツーが微妙に合わない。ただ、菊池も完全に反応できておらず、次の修正で当たりそうな場面。
高尾のカーフに対して菊池もカーフを返し、高尾は一瞬バランスを崩す。菊池は挑発するが、高尾がワンツーを当てて押し返す。 菊池は高尾の前蹴りにカウンターの右を狙うが、高尾はヘッドムーブで外す。
菊池のオーバーハンドに対してもスウェーで外しカウンターを狙うが、距離が合わず。菊池は左右のフック連打。高尾はガードからストレートを当てる。
高尾のワンツーは菊池のジャブで止められる。リーチ差はやはり大きい。菊池がパンチを振り回し壁に詰めるが、高尾はクリンチへ。
壁際の攻防で菊池が反転し四つの展開。菊池はTDを狙うが、高尾は冷静にディフェンスしてブレイク。
直後、菊池が左フックで突っ込むも、高尾がスウェーからカウンターの左フックをドンピシャで当てKO。
勝因
スタンド技術の差が、そのまま結果に直結した。
菊池もカウンターの右やオーバーハンドなど強いパンチを振り、一見押しているようにも見えたが、実際はほとんど当たっておらず、高尾はギリギリで外し続けていた。
一方の高尾は、試合の中でタイミングや角度を修正し続け、最後の左フックへのカウンターは完璧だった。
菊池がタックルを混ぜなかった点は意外。津田コーチであれば組みも指示しそうなマッチアップだが、それを許さないほど高尾のスタンド技術が際立った試合だった。
所感
スタンド技術に差がある試合を、高尾がきっちり勝ち切った。自分から仕掛けつつ、常にカウンターも狙う冷静さが光った。
キックでの試合経験の豊富さが随所に表れており、今後の成長ストーリーにも期待したい。
秋元 優志(JAPAN TOP TEAM)vs 国分 獅斗(THE BLACK BELT JAPAN)
フライ級/3分2R
- 勝利 :国分 獅斗
- 決着 :判定 2-1(19-19/19-19/19-19)
計量
両者パス。秋元はまだ少し余裕がありそう。これならプロに向けて、もう少し増量できそうだ。
身長は両者ほぼ同じだが、秋元の方が一回りフレームが大きい。ただし国分の方が腕はやや長く見える。
試合展開
1R
国分がジャブから入る。秋元はジャブにクロスを合わせるが不発。国分の右ストレートに対して、秋元のカウンターの右がヒット。秋元は追撃に行くが、やや振り回し気味で不発。
国分も打ち返すが、秋元はかわしてクリンチから入れ替え。ツーワンがヒット。国分は前に出てクリンチ、首相撲から膝。秋元は数発受けてから解除。
秋元がプレッシャーをかけるが、国分はシングルレッグから上の組みに移行。秋元はバックを取らせて逃げる形になるが、国分がジャーマン。これは投げ切れず潰す形になるが、スクランブルから国分がサイドポジション。
秋元はバックを取らせて立ち上がりブレイク。ただし、このスクランブルでの反応はやや遅い。
秋元はフェイントを混ぜながらワンツーをヒット。国分はシングルで返すが切られる。秋元の右ショート、さらに右ストレートがヒット。
国分はレベルチェンジからアッパーを狙うが、秋元はツーワンツーをヒットさせ続ける。国分はクリンチからTDを成功させるが、秋元は壁を使い即座に立ち上がる。
国分はさらに組みからドロップを狙うが、秋元はすぐ立ち上がりブレイク。ここで1R終了。
ダメージ差で秋元のラウンド。
2R
国分がレベルチェンジからパンチ、さらにタックルでTD成功。秋元はバックを取らせて立ち上がるが、国分がバックドロップで再度TD。
秋元はクラッチを外して脱出を狙うが、国分が足をフックして粘る。国分はバックから引き込み、スクランブルへ。
振り向いて上を取りたい秋元と、足のフックを使って上を取りたい国分の攻防。ここは国分が制し、マウントから肩固めをセット。
極まらず、続いて腕十字を狙うがこれも抜け、スタンドへ。しかし国分は再びパンチにタックルを合わせ、バックからジャーマンでTD。パウンドを打って試合終了。
コントロールで国分。
敗因
戦前の予想通り、柔道出身で組みが強い国分が有利なマッチアップ。ただし1Rは国分がストライキングの比率を高めたため、スタンドの時間が長くなり秋元にチャンスが生まれた。
2Rは国分が組みに徹し、秋元は切りきれず、パンチも当てられなくなった。もし1Rから組みに徹していれば、もう少し差の出る試合だった印象。
試合後の国分は顔面が大きく腫れており、被弾が多い中でも折れずに攻め続けたナイスファイトだった。
所感
秋元はパンチ自体は非常に優れているが、詰め方の雑さが足枷になっている。今回も、詰め方次第では1Rでフィニッシュできていた可能性は高い。
ヒットした後、どうしても振り回してしまい、相手を追い詰めきれず回復の時間を与えてしまう。ここをよりクレバーに展開できれば、勝率は大きく向上するだろう。
また組み寝技は、やはり課題。柔道出身の国分相手に勝つのは難しいが、ストライカーが勝ち続けるには避けて通れない部分だ。特にスクランブルとスクランブルでポジションを取られた後のリアクションが遅く感じる。
まだ「何をするべきか」が身体に染み込んでない印象で、対応がワンテンポ遅れてしまう事でグラップリングが厳しい時間になっている印象だ。こればっかりはとにかくやり込むしかない。
連敗が続き苦しい状況だと思うが、パンチのキレや当て感は一級品。プロを目指すなら、折れずに取り組んでほしい。
仁井田 右楽(JAPAN TOP TEAM)vs 左京(レンジャージム)
60kg/5分2R
- 勝利 :仁井田 右楽
- 決着 :1R 一本(RNC)
- ラウンド/時間 :R1/3分54秒
計量
両者パス。仁井田は60kgでは余裕がありそう。左京も問題なし。
フレームは仁井田の方が大きい。左京は胴回りが細いタイプで、腕は仁井田より5cmほど長く見える。
試合展開
1R
牽制から仁井田がタックルを仕掛けるが距離が遠い。スプロールを見せた左京に対し、仁井田がレベルチェンジを織り交ぜた右オーバーハンドをヒットさせ、左京が下がる。
仁井田の追撃の左フックに対し、左京が右のカウンターをクリーンヒット。仁井田がフラッシュダウン。
左京がパウンドを落とす中、仁井田は腕を掴み腕十字を仕掛けてディフェンス。一旦オープンガードとなり、再び左京がパウンドに行くが、仁井田は同様に腕を取って防ぐ。
浅い腕十字から三角に移行するが外れ、再びオープンガード。左京はパウンドしながらサイドポジションを奪取。仁井田は背中を見せてサイドバックを取らせ、そこから足を掬ってリバース。
スクランブルの末、仁井田がバックを取り返す。左京は反転して上を狙うが、仁井田が足をフックして阻止し、四の字フックに成功。 ワンハンドチョーク → ネッククランク → バックチョークと繋ぎ、一本勝ち。
勝因
グラップリングに明確な差があった。フラッシュダウンから試合が終わってもおかしくない展開だったが、ギリギリで凌ぎ、最終的には寝技で仕留めた。
特に、サイドバックを取らせてからのリバースは非常に見事。左京が胴回りの細い体型だったこともあり、仁井田が四の字フックを組みやすかった点も勝因だろう。
また、左京がグラウンドに付き合った点は判断ミスだったように思う。パウンドで仕留めきれなかった時点で立たせ、スタンドに戻した方が勝率は高かったはずだ。
所感
概ね予想通りの展開。仁井田はスタンドで苦戦したが、グラップリングの強さと極め力は流石。
坂本岳と同様、パンチが当たるとスイッチが入りやすいタイプに見える。仁井田は間違いなく「当てられる」感覚を持っている選手なので、それを自覚した上で、スタンドの組み立てやスタンドから組みへの導線を再構築できれば、さらに安定感が増すだろう。
スタンドのスタイルは伊澤王者に近いと感じた。基本は触る系のパンチと前蹴りでコントロールし近距離はストレート系のコンパクトなパンチ。タックルとタックルに見せたオーバーハンドを武器としている。
キレという面ではまだ伸び代は十分にあるが、タックルに繋ぐための打撃としては良い方向性の設計を行なっているように思う。
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