DEEP 127|「守り」は間違いなく伸びた。――五明選手が勝ち切るための“最後のピース”

関鉄矢に判定負けも、五明宏人はTDディフェンスと壁レス、スクランブルで進化。3Rはバックから4の字ロックでチョーク狙い。課題は主導権の確保と戦略の一本化。ヘッドコーチ体制で先手の設計を。

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五明宏人
DEEP 127|「守り」は間違いなく伸びた。――五明選手が勝ち切るための“最後のピース”
大会名 DEEP 127|「守り」は間違いなく伸びた。――五明選手が勝ち切るための“最後のピース”
記事種別 試合結果
出場JTT選手

――「守り」は確実にレベルアップ。勝ちに変えるには“先手”が要る

結果:関 鉄矢 判定勝ち(五明は2連敗)

大会:DEEP 127


リード

1Rに関のカウンターでダウンを奪われた五明は、壁を使って立ち直り、3Rにはバックテイクから4の字ロックで絞めまで狙った。ディフェンス面の成長ははっきり見えた一方で、主導権を握る場面が少なく、細かな積み重ねでポイントを落とした印象だ。


ラウンド別メモ

  • 1R:関 近距離のパンチがカウンターで刺さりフラッシュダウン。五明は壁を背に脱出して再開。中盤以降は左ストレートも当たり始めたが、ラウンドは関。
  • 2R:僅差(関かイーブン) 大きな展開は少ない。手数と有効打でわずかに関へ流れたか。
  • 3R:五明(僅差) バックテイク→4の字ロック→チョーク狙い。決め切れずも流れは引き寄せた。

トータルでは29-28で関が妥当。差は大きくない。


良かった点(成長が見えたところ)

  • テイクダウン対応 :何度かの仕掛けを落ち着いて処理。
  • 壁際の攻防 :単に逃げるだけでなく、崩して下に落とす、立ち直すなど選択肢が増えた。
  • スクランブル :バック→4の字→チョーク着手までの流れがスムーズ。
  • 再現性 :倒されても「守る→立つ」が形になりつつある。

守りの基礎体力が上がり、負けない時間が増えたのは間違いない。


届かなかった理由(率直に)

  1. 先に仕掛けたのは多くが関 試合の起点が相手側にあり、五明は受けてから判断する場面が多かった。後手に回ると、どうしてもポイントが散っていく。
  2. 伸びた技術を“勝ち筋”に結び付け切れていない 体感ではレスリングと壁際は五明がわずかに上。にもかかわらず、そこを意図して増やす設計が薄く、優位が点に反映されづらかった。

これからの打ち手(具体策)

1) ヘッドコーチの明確化

試合ごとの方針、対策、セコンドの声を一本化する。必要なら外部から迎えるのも現実的。移籍まではいかなくとも、戦術をまとめる軸を置きたい。

2) “先手のレスリング”で流れを作る

  • 左の直線(ジャブ/ストレート)で反応を引き出し、 レベルチェンジ→ケージへ押し込む 流れを増やす。
  • アンダーフック+頭の位置 で上を取って、 足掛け→マット戻し→バック までを一連で。

3) バックからの“詰め”を早くする

  • 4の字固定 → 顎下を開けるショートチョーク → 本絞め(RNC) の順を、迷いなく。
  • 終盤30〜45秒は「仕上げの手順」をあらかじめ決めておく(判断の迷いを減らす)。

4) 練習の指標(数字で確認)

  • 先手でケージに触れた割合 (各Rで最初の接触が自分起点か)
  • 接触からバック到達までの成功率
  • バック到達から初回チョーク着手までの秒数
  • マット戻しの連続数 (逃げられても何手追えるか)

まとめ

守りはもう十分に通用している。あとはどこで先に触って、どこで点にするかをはっきりさせること。

その設計を担うヘッドコーチの存在が、いまの五明に一番効くピースだ。

内容は前進。次は勝ちに変えたい。